〜「強弱をつけずに聞く」ってどういうことだろう?〜
当たり前に日々繰り返している「聞く」という行為。
でも「相手の声をちゃんと聞いていますか?」と改めて問われると、自信をもって首を縦に振ることができる人は多くないかもしれません。
このイベントで注目するのは、この身近だけどよくわからない「聞く」ということです。
「聞く」ことがとても大切にされる場面の一つに「対話(ダイアローグ)」が挙げられます。
「境界線」をテーマにしている私たち〈越境ことはじめ〉(通称:ことはじ)では、かねてから「対話」に着目していました。例えば、境界線といったときに想起されやすい国境、領土的な境界の問題とも言える「紛争」の解決の手段として叫ばれるのは対話です。また、他者との間に壁(凸的な境界)を感じた時、それと向き合うために対話が必要になったりもします。対話は、境界線を考える私たちにとって、避けて通ることのできない重要な概念の一つです。
が、これを理解するためには、どうやら知識だけでは不十分で、「体感」が不可欠なようです。
対話という言葉の使用頻度は最近増えてきているようで、それに呼応して、この対話というものには何か凄い力があるらしいと関心を寄せる人も増加しています。
ところが、プロ(専門性をもつ実践者)のかかわる対話の場を体験する機会は身の回りには殆どなく、対話の経験は境界線の内側の限られた人々しか享受できてきていないようにも感じます。
それなら、ことはじの学びの場を開くことで、その境界線も問い直してみようかな。
そんなことも考えながら今回は、臨床心理士でダイアローグの実践者である岡田愛さん、産婆術的触媒と福祉社会学者という二つの顔をもつ竹端寛さんのお二人にファシリテーターをお願いして行うこととなった対話のワークショップを、ことはじ初のオープンイベントとして開催することにしました。
企画の打ち合わせの対話の中での岡田さんの一つの言葉が強く印象に残っています。
「話されていることに自分で強弱をつけずに聞くことは難しい」
この言葉にハッとさせられ反省させられると同時に実感したのは、その場で起きている「聞く」の質・種類が明らかに普段と異なっているという事実です。
打ち合わせでの対話の体感は、企画者に多くの学びと新たな問いをもたらしてくれました(既に「企画してよかった…」と心底思っております)。
みなさんも私たちとともに、聞くことのダイナミズムを体感することによって、当たり前にしている「聞く」に対して異なる見方や捉え方を探索してみませんか?
現場(福祉、地域、学生)とのダイアローグの中からオモロイ何かを模索しようとする、産婆術的触媒と社会学者の兼業。大阪大学人間科学部、同大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。山梨学院大学法学部政治行政学科 教授を経て、2018年4月から現職。専門は福祉社会学、社会福祉学。著書に『枠組み外しの旅ー「個性化」が変える福祉社会』『「当たり前」をひっくり返す』ほか。
竹村診療所・たかぎクリニック勤務。臨床心理士。訳書に『オープンダイアローグ』(日本評論社)がある。
2020.12.12 Sat
14:00–17:00
オープニング
→チェックイン
→ワークショップ(レクチャー & グループでのダイアローグ & リフレクティングをテーマを変えながら数セット行います)
→チェックアウト
→クロージング
※ 途中適宜休憩を挟みます
※ 画面オンでの参加をお願いします
越境ことはじめ× SOCIAL WORKERS LAB(事務局:一般社団法人 FACE to FUKUSHI)
企画責任者
大澤健
越境ことはじめ 発起人/SOCIAL WORKERS LAB コーディネーター
Peatixよりお申し込みください。